このページをご覧になられている方は、おそらく歯周病の自覚症状があるのではないでしょうか。例えば、歯茎から出血する・歯がぐらついている・口臭があるなど、何らかの症状を感じられている場合は歯周病のリスクが高いと言えます。
歯周病は歯を失う病気です。また糖尿病や心疾患、脳血管疾患、低体重児早産など様々な全身疾患との関連性も数多く報告されており、お口の病気だけではないと言えます。
日常生活に支障をきたす病気である歯周病を正しく理解し、なるべく早く治療を開始できれば、歯を残せる可能性は高くなります。歯周病かな?と思ったら迷わず歯科を受診しましょう。
歯周病になると様々な問題が発生します。
このような問題が発生します。
1〜8に向けて、歯周病の病状が進行していることをわかりやすく示していますが、6以降になると生活に支障をきたすことがわかります。
これらの症状の中に1つでも当てはまるものがあれば、歯周病の可能性があります。
あなたの歯を守るためにも、早めに治療を行うことが大切です。
虫歯が歯自体に穴が空いて失われていく病気なのに対して、歯周病は歯が埋まっている”骨”が溶けていく病気です。そして原因は歯と歯茎の隙間(歯肉溝)に侵入した細菌です。
健康で浅い歯肉溝(サルカス)の場合は日々の歯ブラシやフロス等のセルフケアで細菌を除去できます。しかし、さまざまな要因で深くなってしまった歯肉溝(歯周ポケット)の場合、日々のお手入れだけでは細菌の除去が困難になります。
では歯周ポケットに侵入して、除去できない細菌は…
毒素を出し、歯周ポケットをさらに深くし、その下にある骨まで溶かしていくことになります。一般的に失ってしまった骨はもとには戻りません。
歯周治療のゴールは、歯周病の進行を食い止め、セルフケアで細菌を除去可能な健康で浅い歯肉溝を獲得することです。
歯周病の基本コンセプトは「初期治療(歯周基本治療)」を徹底することです。歯周病は外科治療や再生療法などが注目されますが、それらは初期治療後に行うものです。
これがまず歯周病治療の基本であり、成功に導くための前提条件です。それに加え、歯周病の改善を妨げる因子を除去していきます。
例えば
これらはすべて、歯周基本治療に含まれます。
ここまでをしっかり行った上で再評価を行い、
歯周病の改善に応じて
歯周病治療において初期治療はとても重要ですが、残念ながらそれだけですべての歯周病が治るわけではありません。
初期治療でどれだけ歯周病が改善したかを測るために、一連の初期治療が終わったあとに歯周ポケットの深さを再評価します。
その時、歯周ポケットの深さが3mm以下になっているのが理想的なのですが、深い歯周ポケットが残存することがあります。
理由はいくつかありますが、歯周ポケットの深くにこびり付いた歯石は非常に硬く、また非外科による盲目的な処置の限界もあります。
定期的に歯石は取っていたのに歯周病が進行してしまったという方は、これが原因の可能性もあります。
そういった場合は歯肉を切開し、歯根を露出させた上で原因である歯石を除去していきます。その際、再度プラークが付着しにくいように歯根表面を滑沢化することも重要で、そのことをデブライドメントやSRP(スケーリング・ルートプレーニング)と言います。
歯周組織の病的な部分を切除し、歯周病によって凸凹になった骨を平坦に整えることで歯周ポケットを浅くする処置です。処置後は歯茎が下がることによって、歯周ポケットが浅くなるため一時的に知覚過敏症状が出ることもあります。
失った組織を再生させることを目的とした歯周外科治療を、歯周組織再生療法と呼びます。
デブライドメントやSRP後に、骨欠損部に対してエムドゲイン®︎やリグロス®︎といった歯周組織再生材料、バイオス®︎やサイトランスグラニュール®︎といった骨補填剤を充填することで歯周組織の再生を促します。
ただし、歯周組織再生療法はすべての症例に適応するわけではなく、骨欠損の状態によっては適応外になるので、CTなどを用いて詳細な検査を行う必要があります。
またどのような状況でも必ず成功するわけではなく、歯周組織再生に適した口腔内環境を術前に構築していくことも重要ですし、患者さんご自身の治癒力にも影響されます。
歯周病治療を行っているのに改善しない。いつも歯石取りに行っているのに、どんどん歯が悪くなっていく。
そのような疑問をお持ちになられたら、一度セカンドオピニオンをご利用ください。第三者の公平な目線から、原因の追求や新たな治療の選択肢を見つけることができるかもしれません。
セカンドオピニオンは予約制になっております。
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